資金調達目的の株価算定

資金調達目的

企業が新しく株式を発行する場合やストックオプション(新株予約権)を発行する場合に、それらの発行価格として妥当と考えられる金額を算定します。

 

各事例

株主以外の第三者(※)に対して株式の募集を行う場合の株価(※取引先などの協力会社、会社の役員および従業員など)

株主以外の者に対して新株を発行して増資を行う場合には、既存株主との公平を図るため株式の時価を算定します。通常、株主が同族関係者(親戚などの血縁者)のみの場合で、かつ新株の割当先についても同族関係者のみであれば、課税関係に影響しないことを目的とした株式の評価方法を採用することが可能ですが、本件の場合は、利害関係の異なる株主と投資家(これから株主となる者)との利害調整を目的とするものであり、いわゆる「公正価値評価」といわれる株式時価の算定を行います。

 

上場準備会社が資金調達を行う場合に参考とする株価

株主以外の者に対して新株を発行して増資を行うという点では、上記の株主以外の者への新株発行と違いはありませんが、これから株式上場を目指すという会社においては、株式の引受先にベンチャーキャピタルなどの機関投資家が加わることも多く、また会社の将来成長を見越した株式評価方法(収益還元方式やDCF方式)やある程度の会社規模があることを前提に株式の市場価値を意識した株式評価方法(類似会社比準法)を重視した株価算定が主流となります。

 

種類株式を発行する場合のその発行価格

会社法に定められた種類株式(例えば無議決権株式や配当優先株式など)を発行する場合には、通常発行される普通株式に比べてプレミアムやディスカウントを考慮した株式価値を算定する必要があります。このプレミアムやディスカウント部分の評価は、発行される種類株式の内容によって異なるため、一律に決定することは困難とされています。

 

ストックオプションを発行する場合の当該ストックオプションの発行価格

ストックオプション(新株予約権)を時価発行する場合のその発行価格は、発行会社の株式時価やストックオプションの行使条件(ストックオプションを行使する場合の払込金額、行使可能期間およびその他の行使条件など)の要素が関係するため、複雑な計算方法を採用することがあります。

いわゆるブラックショールズモデル、二項モデル、モンテカルロシミュレーションなどの計算方法による時価算定は、一般事業会社では殆ど馴染みがないことから外部専門家に依頼することが一般的となっています。

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